いみちぇんのシロちゃんの話

二週間ほど空いた。いろいろあって書くことがおっくうになっていた。すまない。

 

今日はこれまた角川つばさ文庫作品から「いみちぇん!」の話をする。この小説はバトルもの兼バディもので時に恋愛もあって、といった具合の作品だ。

 

まあ正直言うと可も不可もないくらいの小説だなあと思いながら読んでいた。強いて言うなら売りにしているであろう戦闘シーンが退屈といったところだ。ただ、仲間たちが記憶が失なっていく中モモちゃんが一人戦う11巻は面白かった。

 

そして、その次の12巻で私がこの作品で一番好きなキャラクターが登場する。野々宮真白ことシロちゃんだ。彼女は主人公のパートナーの少年、匠の許婚だったのだが、匠は紆余屈折あって最終的にはモモのことを選ぶ。そのことに関しては納得はしていたようだが17巻で衝撃的な胸の内が明かされる。

 

シロちゃんは幼い頃に両親を亡くし、匠の家に引き取られていた。匠の家族は本来は9人家族なのだが匠は彼女のことも含めて周りには10人家族だと言っていた。彼女のことを家族として見てくれていたのだ。しかし、匠はモモを選んだ。それは匠にとっての「一番」がモモだということである。そしてシロはこう述べる。自分も、自分のことを一番に見てくれる人が欲しい、と。さらに、家族のいない自分には自分を一番に見てくれる人がいない、と。寂しかった。そして、羨ましかったと。

 

震えた。まさかこのようなバックボーンを持つキャラが出てくるとは思わなかったからだ。言い方は悪いがそれまでのいみちぇんのキャラは基本的に普通の小学生ばかりだったのでいいな、と思えるキャラはいなかった。しかし、彼女は違った。リアルだ。彼女のバックボーンにはリアルさを感じずにはいられなかった。一瞬で好きなキャラになったのは言うまでもない。

 

……が、そんな彼女のストーリーでも納得いっていないところがある。それは……

 

最終回発情期を迎えたことだ。

 

先程の心情を吐露するシーンでは友人の航平というキャラがその場にいて、彼女の気持ちを受け止めているのだが、この航平というキャラはなんとぽっと出のキャラなのである。どれぐらいぽっと出かというとこの巻(17巻)の2巻前(つまり15巻)に急に出てきた。なんならビジュアルすら明らかになっていなかったキャラだ。こんなキャラとの急な恋愛シーンに誰が思い入れできようか。そんな恋愛シーンも「俺はお前のことを一番に思ってるぜ」(要約)というレベルだ。全てにおいて唐突すぎて感動もへったくれもない。人生で初めて最終回発情期を憎んだ。ほんともったいないと思う。

 

ちなみにいみちぇん、今月に新作が出るみたいだけど別にいいかなあ。

 

おまけ

 

ここのシロちゃんマジでいいよね

 

終わり!