四つ子ぐらしのこと

去年の冬頃から角川つばさ文庫の作品を何作か読んでいる。最初に読んだのがこの「四つ子ぐらし」だ。読み始めた理由はイラストに惹かれたのと自分も兄妹が多いので気になったことだ。もっとも、この作品の四つ子は全員女なのだが。

 

んで、肝心の内容なんだけどはっきり言うとつまらない。同じような展開を二度もやるとかただただ胸糞な展開が続くとかいろいろあるが一番の問題は「一番大事なところがガバガバ」な点だ。

主人公たち四つ子の現在の目的は行方不明の両親を探すことである。そのためにあれやこれやとやっているのだがこの作品はここで最大のガバをやらかしている。それは彼女たちが母親のことばかり言及する割に父親のことは一切気にしていない点だ。この作品において四つ子たちの母親は確かにキーキャラなのだが、両親を探しているというのならば父親のことも気にするのが自然というものだろう。しかしこの作品に出てくる登場人物はまるで記憶操作でも受けたのかのように父親のことは探そうとしない。ご丁寧なことに、この作品では読者にもわかるように主要キャラの家系図を載せた巻もあるのだがそこでも主人公たちの父親の欄は?マークがあるだけで何の説明もない。というかどんなキャラかはおろか、名前すら明らかになっていない。まあこれはそもそも彼について知っている登場人物が一人もいないという現在の状況が理由なので仕方ないが。

だが、ここまで父親の存在を秘匿(いや、もはや忘却されているので秘匿ですらないが)するのなら登場する際には物語を大きく動かす存在でもらわないと困る。これでいざ出てきて母親のおまけ程度で済まされたりでもしたら正直キレる。全巻売る。というか今の時点で物語がつまらないまま完結したら全巻売るって決めてます。

 

ただ、この作品調べるとわかると思うがめちゃくちゃ人気なのである。すでに15巻も出てるくらいには人気だ。おかげで本棚圧迫してます。まあだから、俺がこんなこと言ったところで「メインターゲットでもないキモオタが吠えてる」図にしかならない。だけど言わせてほしい

 

このガバガバに気づいてる子供の読者いるんじゃないの?

って

 

いやまあ、そんな点に気づくことができる子供なんて少数派だから気にすることないだろって思う人もいるかもしれない。だが考えてみてほしい。もし自分が子供でこの作品のガバに気づいたとしよう。

舐められてるなって思わん?

「どうせ読むのは子供なんだから多少見苦しい点あっても気づかないだろwww」って思われてる気しない?そう、この作品の作者はそんなつもりないのだろうけど子供を舐めているのだ。

でもじゃあなんで人気あるんだよって思うだろう。理由は簡単に推測できる。私が最初に述べたこの作品を読み始めた理由を思い出してほしい。

イラストだ。もっと言うなら雰囲気が受けているのだ。本屋に行けばわかると思うがこの作品のイラストは結構目を惹く。これはイラスト担当がいい仕事をしている証拠だろう。(余談だがコミカライズ版の三風ちゃんめっちゃいい顔してるよ)

この辺とかマジで好き

 

話を戻す。先程言った雰囲気の話だが、主人公たちは親がいないので子供たちだけで暮らしている。つまるところ、日常に大人の介入が入ることはほとんどない。これは、子供たちからしたらある意味夢のような生活ではないだろうか。別に親のことは嫌いではないが子供だけで一日を過ごしてみたいなんて考えたことはあるだろう。んで、実際にそれを実行する修学旅行なんて楽しすぎて仕方なかったはずだ。本作品はそれが延々と続く。無論、集団生活ゆえの問題も出てくるがそんなことは些細な事だ。子供だけ。これがもう楽しいのだ。この雰囲気が受けているのだろう。

ただ、そんな雰囲気だけで売ってるとそのうち子供にも舐められてるって気づかれますよと思う。

 

ちなみに最新刊はまあ面白いことには面白いと思ったのだけどまあいつもの如く胸糞展開が続く。それも今回はいつも以上に胸糞。別に胸糞を書くのがいけないなどと言うつもりはない。だが読んでいて「ああ、さぞ筆乗ってるんだろうな。」と邪推したくなる胸糞だった。作者がニヤリとしてるのが目に浮かんでしまう感じの胸糞なのだ。キツい。そういうのは中学生で終わりにしてほしい。

 

ただ、ここまで言っといてなんだが俺はこの作品のことが嫌いではないのだと思う。先程も言ったように全巻買ってしまっているし、それだけでなく、短編、コミカライズ版も欠かさず買っている。ここまで来たら死ぬまで付き合うぜとは思っているのだがこれも先程挙げた雰囲気によるものなのだろうか、なんて(実際この記事も最長になっちゃったし画像も初めて使ったし)。

 

んじゃ、みんなおやすみ!いい休みを過ごせよ!